私たちは日々、仕事・人間関係・生活の変化など、さまざまなストレスにさらされています。ストレスそのものを完全に避けることは難しいですが、上手に対処する「コーピング」を身につけることで、心の健康を守ることができます。
ストレスとは?
ストレスとは「体外から加えられた、各種の刺激に応じて体内に生じた障害と防衛の反応の総和」のことをいいます。
難しく聞こえますが、要はさまざまな刺激(要因)によって引き起こされる人間の心身の反応(結果)のことですね。大きな仕事の締め切り、家族や友人とのすれ違い、将来への不安など、人によって感じるストレスはさまざまです。
ストレッサーとストレス反応
ストレッサーとは、ストレスの要因となる刺激のことです。
ストレスを引き起こす可能性があれば、どんなものでもストレッサーになります。
ストレス反応とは、ストレッサーによって引き起こされた心身の反応のことです。
ストレス反応は、ストレス刺激(ストレッサー)に適応するために起こる自然な反応です。
ストレッサーは多種多様で、人間関係、家庭の問題、暑さ・寒さ、騒音など大きなものから小さなものまで、一回きりのものから継続するものまで、また、ネガティブなことだけでなく、結婚や同棲による環境の変化などのポジティブなこともストレッサーになり得ます。
ストレス反応の3つの段階
1.警告反応期:ストレッサーによりショックを起こした後、防衛反応(体温、血圧や血糖値の上昇)
が起こる
2.抵抗期:ストレッサーへの適応状態、健康度を高め続ける。
一方で、健康度が高くても自身のストレスに気がつきにくい。
3.疲憊期:維持していた適応力の低下、ストレス性疾患、最悪の場合には生命の維持が困難になる。
例)過労死など
ストレスのコーピング
コーピング(coping:うまく対処する、処理する)とは、
ストレス(ストレッサーとストレス反応)に対する「意図的な」対処のプロセスのことです。
ストレスを感じた時みなさんはどのようにストレスと向き合っているでしょうか?
実は、その人なりの「ストレス対処法」が無意識のうちに身についています。
ただ、その対処がその場面で適切かどうかが問題となってきます。
さまざまなコーピング
コーピングには大きくわけて3つあり、
人によってよく用いる(得意なもの、苦手なもの、使ったことのないもの)があります。
みなさんは普段、どのようなコーピングをしているでしょうか?
- 問題中心コーピング
- 情動中心コーピング
- 回避中心コーピング
1.問題中心コーピング
ストレッサーそのものの打開策を立て直す方法です。
解決のための情報収集、助言の積極的な取り入れ、プランニングなど、状況を改善するための行動を起こす対処です。
問題中心コーピングは困難な状況を、自身の能力や裁量で変えられると認識できる際に適しています。
例)課題をメモや付箋に書き出す。解決のための手段を検索する。スケジュールを立て直すなど
2.情動中心コーピング
ストレス反応を低減するための方法です。
問題そのものの解決へは向かいませんが、一時的なストレスの低減や、そもそも解決が難しい課題に有効です。
自分の裁量ではすぐには状況を変化させにくいと認識した際に適しています。
例)自分の感情・つらさを言葉や絵で表現する。同僚と食事にでて愚痴を言い合うなど
3.回避中心コーピング
ストレッサー自体から物理的・心理的に距離をとるように工夫することです。
別のことに没頭することで、心理的な緊張を軽減します。
短期間・長期間に関わらず、問題状況から離脱が可能で、そのほうが心身の健康上良いと認識できる際には適していますが、問題を先延ばしして、状況が悪化する場合もあるので注意が必要です。
例)たっぷりと寝る。買い物をする。スポーツや趣味、飲食を楽しむ。
まとめ
私たちは、日々さまざまなストレスを感じながら生きています。ストレスを完全になくすことは困難ですが、コーピングをうまく使うことで、ストレスとの付き合い方を選ぶことはできます。ストレスの種類や場面によってコーピングを使い分けてストレスとうまく向き合っていきましょう!


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